物忘れは脳の最適化によるもの?
物忘れについて、悩んでいる人は多いでしょう、これは主に脳の機能が衰えてきた事が原因だと考えられてきました。
しかし、最近になり、物忘れには別の要因があるのではないか、という研究が増えています。
検索誘導性忘却という言葉をご存知でしょうか?
あまり聞き慣れない言葉ですね。
一般的に人間は記憶の中で、同じジャンルの事柄をひとつの領域にまとめています。
検索誘導性忘却とは、脳がある事柄を思い出す際に、競合している事柄の中から、ひとつの事柄を選択しますが、いつも同じ事柄ばかりを選択していると、その他の事柄が思い出しにくくなる現象の事です。
この現象は脳内が効率化を図っていると考えられています、必要なくなった情報や書き換えが必要な情報をシャットアウトし、新たな情報を取り込むための準備のようなものです、科学者達はこの現象について、海馬の神経細胞が増えていることが原因だと考えているようです。
物忘れに見えるメリットとは?
物忘れはネガティブ思考からの脱却に必要
人間は常に頭の中で、物事を考える動物です、時に悩み事や悲しい事などがあると、ネガティブな思考に陥り、何度も繰り返し思考を働かせてしまいがちです、物忘れはそんなネガティブな思考に対して、一定の効果をもたらします、例えば悩み事、悲しみ事に関連する新たな事柄は、記憶の上書きを行います、その結果、徐々にネガティブな事柄は頭の中から忘れられていきます。
物忘れは集中力、意思決定のスピードUPに必要
物忘れは集中力や意思決定の向上に役立っている可能性があります、集中している時は思考のスピードが異常に早くなっていることに気づくと思います、これは余計な事柄を考えず、ある物事を達成することだけを考えているためです、ちなみに、集中力について、物忘れの現象がない場合はどうなるでしょうか、恐らく記憶からの情報量が多すぎて迷いや考えすぎのような現象が起こり、集中力の低下に繋がる可能性が出てきます。
物忘れは創造力の向上に必要
新しいことを考えるには、脳の中にある古い記憶は邪魔になることもあります、創造力は常に新しい情報、アイデアや発見から成り立ちます、習慣化された行動パターン、思考パターンからの脱却は、創造力の向上に必要です、物忘れはこういった記憶の整理、除去を促し、脳内を最適化していると考えられます。
今までデメリットしか考えてこなかった物忘れですが、人間にとっては必要な現象だということが分かってきました。
物忘れに悩んでいる方は、こういった知識を知っていれば、考え方も変わってくると思います。